僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

十一月の終わりあたりからぐんと気候が冷え込んだ。

バス停でバスを待っているとき、首筋に、冬を思い出す冷たい風を感じた。

そろそろ、マフラーが必要かもしれない。

十二月に入ってすぐ、いつものように、教室の隅で染谷さんと石川さんとお弁当を食べていたときのこと。

「夏生さんって写真部だったよね?」

染谷さんが、お弁当を箸で口に運びながら深刻な顔で聞いてくる。

「うん、そうだよ」

「四組の天宮くんも、たしか写真部だよね?」

「そうだけど……」

「天宮くんって、入院中なの?」

「え……?」

予想外の話の流れに、箸を持つ手が止まる。 

「さあ。聞いてないけど……」