僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

もごもごと、言いにくそうにする染谷さん。

多くを語らないふたりを見て、人の痛みを知っている顔だと思った。

たぶんふたりも私と同じような不器用なタイプで、たくさん傷ついて、今があるんだろう。

同情? でもうれしかった。

――『相手を思いやる気持ちが少しでもあればそれは優しさだ』

前に天宮くんがくれた言葉のおかげかもしれない。

「うん、一緒に食べたい。ありがとう」

素直にそう答えると、染谷さんと石川さんは、ホッとしたように表情を和らげた。

それから私は、毎日ふたりと一緒にお弁当を食べるようになった。