僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

朝礼が始まる前にさっそく隣のクラスに遊びに行くらしい星羅は、私の横を通るとき、チラリともこちらを見なかった。

明らかに避けられているのが分かる、〝眼中にない〟態度。

誰かに存在を否定されたときの、あの胸を裂くような痛みが込み上げる。

時間を置いても、変わらないものは変わらない。

相容れないものは、相容れない。

それを無理に修復したり、気にしたりしていたら、きっと心が壊れてしまう。

悲しいことだけど、それが現実だ。

星羅の冷たい態度を見て、私はそう感じた。

天宮くんのような私のすべてを受け入れてくれる人がそばにいるからこそ、心に余裕ができて、冷静にそう判断できるようになったのだと思う。

天宮くんとの出会いがなかったら、私はきっと、星羅に避けられているのを気にし過ぎてまた学校に来れなくなっていた。

強くなったわけではない。ただ、あきらめることを学んだだけ。

だけどあきらめることも、ときには大事なのだと思う。