僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

先生や両親からの優しさを、押しつけのように感じていた不登校時代を思い出す。

「その点写真は何も語らないから、捉え方が幾通りもあって、押しつけがましくならない気がして。あなたのことを気にかけてるっていう気持ちを、やんわり伝えることができると思ったから」

「なるほど、分かる気がする」

「私も不登校時代に、同じようなかんじで支えられたことがあったの。会ったことのない、SNSだけの友達なんだけど……」

〝くろすけ〟のことだ。

部屋に閉じこもり、家族以外とはほとんど接点のなかった不登校時代。

〝くろすけ〟は、私と外の世界をつないでくれた唯一の存在だった。

時折送られてきた空の写真は、私のことを覚えて気にかけてくれている人が世の中にいるのだと安心させた。

強引ではない、穏やかな思いやりは、あの頃の私には何よりもありがたかった。