僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

夏の終わりを知らせるように、セミの鳴き声が変わっていた。

ツクツクボウシの鳴き声は嫌いだ。意味もなく、寂しい気持ちにさせられるから。

学校近くで天宮くんと待ち合わせた私は、コンビニで写真を印刷して用意した封筒に入れ、高安くんの家のポストに投函した。

見上げた先、二階の窓の向こうに見えるカーテンがわずかに揺れ動いた気がしたけど、高安くんかどうかは分からなかった。

そのあと天宮くんに誘われて、マリーゴールドの花畑があるあの公園に向かった。

太陽みたいなオレンジ色の花々が、開花期の終わりを惜しむように、以前よりもいっそう盛大に咲き誇っている。

花畑の間を歩く私を、天宮くんはいつものように、愛用の一眼レフカメラで撮っていた。

「マリーゴールドの色がどんな色か教えて」

カメラを構えたまま、天宮くんが、ふいにそんなことを言う。

「マリーゴールドか、うーん……」

考えながら、ハッとした。

今までは、天宮くんにもこのマリーゴールドの鮮やかなオレンジ色が当たり前のように見えているものと思っていた。だけど、実際は違う。