僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

信じられない気持ちで天宮くんを見つめると、ファインダーからわずかに顔を上げた彼と目が合う。

カメラマンモードの、真剣なまなざし。

だけど夜だからか、はたまた私服だからか、いつもとは雰囲気が違って見えた。

視線から、射貫かれるような熱を感じる。

――『ポートレイトを撮ってるのは、夏生さんだけなんよ』

二階堂部長の声が、耳によみがえる。

夜でよかった。

私の顔が赤くなっていることに、たぶん天宮くんは気づいていない。