僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

昔の私はこんなんじゃなかった。

自分の思いとは裏腹なことを言わなかったし、特定の友達にすがるような生き方もしていなかった。

クラス中のみんなを友達だと思っていたし、人が自分をどう思っているかなんて気にしたことがなかった。

本能のままに、笑いたいときに笑って、腹がたつときには腹をたてていた。

中学に入ってすぐ、同じ小学校だった女子で、クラスに六人組の仲良しグループができた。

私の通っていた小学校が一番人数の多い学区の中学だったこともあり、私たちのグループはクラスでも目立つほうだった。

ほころびが生まれたのは、中一の六月のこと。

同じバドミントン部の先輩に『付き合ってください』と告白されたのがきかっけだった。

そんなに会話したこともなかったし、なんで?っていう気持ちしかなかった。