僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

逆に躍動感のある水の動きを出したいときは、シャッタースピードを遅くして、ISO感度を下げる必要があるとのこと。

静止画みたいな水しぶきを撮りたい二階堂部長に対し、水の動きをリアルに撮りたいらしい佐方副部長は、露出オーバーをふせぐための減光フィルターとやらを取り付けていた。

なんかもう、訳が分からない。

今さらだけど、こんな無知な私が写真部で本当にいいのだろうか?

――バシャバシャッ!

激しく水の跳ねる音がした。

いつの間にか茶色い袋を手にしていた天宮くんが、池に向かって餌を放り投げたらしい。

色とりどりの鯉が、重なるようにして、餌のまかれた場所に集まってくる。

鯉と鯉の体が激しくぶつかり、真夏の空に高く水しぶきが跳ねていた。

「うわ、めっちゃ元気いいなあ、ここの鯉。理想の水しぶきやわ。ていうか天宮、やるときはやるって言って。撮り損ねたやん」