「でも!私が好きなのはっ奏だからっ」 言い終わる前に腕を引かれ、奏の腕の中に閉じ込められた。 「当たり前だろ。てかそうじゃないと困る」 声と態度からわかる余裕が無さそうな奏。 このあいだ、家で押し倒された時と似ている。 「鈴、キスしていい?・・・ってかする」 「っん」 顎をクイっと軽く持ち上げられたかと思うと、唇に柔らかいものが触れて、キスされているのだとわかった。 その唇が離れたかと思うと、またぎゅっと抱き締められる。 「俺、鈴のことになると、ほんとダセーくらい余裕ねぇの」