「華山」 声がした方を見ると、校門の壁に背中を預けて、十也くんが立っていた。 「十也くん?」 「あれ、長谷部どうしたの?」 だいぶ前に部活も終わって解散したのに、どうしたんだろう。 「・・・華山に用がある。体育館に行くって話聞こえたから、ちょっと待ってた」 私に?なんだろう。 「あーそおなんだ!じゃ、私先に帰るわ!」 「え、蘭ちゃんっ」 「じゃあねっ鈴!また明日!長谷部も!」 「・・・おう」 そう言うと蘭ちゃんは行ってしまった。