「鈴、もう残り食べねーの?」 びっくりして、バッと後ろを振り返ると十也くんがテラスの入り口に立っていた。 私も学食からテラスに出てすぐのところで電話しちゃってたから、思ったより近くて驚いた。 「ああ、うん!もうちょっとしたら戻るね!」 焦って返事をした。なにもやましい事はないのに、変に心臓がバクバクしている。 私の返事に「待ってるな」と言って十也くんは学食の中に戻って行った。 「もしもし、奏、ごめんねっ」