奏side. 俺の視線の先には、長谷部十也。 たぶん、鈴のことが好きなやつ。 いや、絶対だ。 中学の時から鈴と同じ吹部だし、よく一緒にいるのを見かける。 鈴に何か紙のようなもの渡していて、鈴はそれを受け取ると嬉しそうに笑った。 「っ、」 そんな可愛い笑顔向けんなよ・・・ 「奏くん、どうしたのー?」 周りでキャッキャ話してた女子たちが聞いてくる。 「いや、ちょっと」 そう言って、席を立ち鈴の元へ向かった。 何を話すかは決めてなくて、咄嗟に昼飯誘ってみたけど昼練があるとかで断られた。