彼は、すっかり自分の世界に浸っているみたい。

 まるでわたしがいないかのように、子どもの頃のことを回想している。

 ちょっと待って……。

 また何かがひっかっかった。しかも、これまでよりひっかかり具合が強烈である。

 もう一度、彼を上から下まで見直した。

 睫毛、睫毛……。