「やっと来たか」
「もうっ、どれだけ待たせるのよ」

 裏口から入る必要もなかったかもしれないけれど、マリユスとお姉様の様子をこっそり見てみたかったから裏口から入ってみた。

 が、入った瞬間に目を疑ってしまった。

 屋敷の厨房に裏口があるのだけれど、二人はその厨房にいたのである。

 それは、惨状と表現する以外にうまい表現が見つからない様相をていしている。