童貞を奪った責任







 まあ〜なんて事でしょう。


 会社の玄関前ロビーには明らかに、恐喝しに来ました!!みたいな風貌の強面な二人発見!!


 そして、その二人の前に置かれたソファーに、どっかり大股を広げて座る男は処構わず煙草を吹かす。





 握り拳を構えて、その男の方へと一心不乱に猛ダッシュして、




「ここは禁煙だ!!!」



 手中から奪い取った吸いかけの煙草は、強烈に熱かった。













「なんで来た。てか帰れ、今すぐ、ほら出口はあちらです。ほらほら~、お呼びじゃないわよ。」



 般若の如く、怒りの形相で腕を組んで見下ろすのは、今し方しつこく電話を掛けてきた張本人様。


 昨日“遭った”ばかりだと言うのに、私の勤め先に現れたこの男は、この空間に不釣り合いで禍々しい。



 今日も今日とて、完璧な美形フェイスはスカシ顔で勝気だ。イケメンめ畜生が....。



「連絡無視したお前が悪い。」


「仕事中は出れません。てか、まず暇人のアンタに付き合ってられる程暇じゃない。」


「暇じゃねーよ、仕事中だ。」


「ストーカーが仕事とか言わないよね?」


「俺の仕事は跡取り作り、即ち杏とセックスして孕ませる事だ。」




・・・は?