「っつ……!」


甘えた声、不安げに揺れる瞳。



「1回だけ、ね、あみちゃん」

「う、う〜……」

「だめ……? 俺、あみちゃんのこといっぱい考えながら、ずっと我慢してたんだけど」

「〜〜〜っ、いいよ?」



ず、ずるいよ……!

本領くんのこんな姿、スーパーレアもいいところ。嵐のような凄まじさに、わたしの理性は光の速さで吹き飛ばされた。


もはや、理性ってなんだっけ。


───こんな可愛らしい姿は、幻覚にすぎないとわかっていても……。



「あはは、あみちゃんてホントちょろ〜」



許しを得た瞬間、現れるのは。

嗚呼おそろしや、悪魔の笑み。


ぺろりと唇を舐めてみせる仕草も。

嗚呼おそろしや、色気の魔神。