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あれから数日。お姉ちゃんの足取りは掴めず、お父さんのイライラも最高潮だったのが少し冷静さを取り戻していた。
「お父さん、今日は帰りは早い?」
「あ、うん。一応な」
「今日は私が夕食作るから……お父さんリクエストある? なんでも言って」
お父さんは「うーん、そうだなぁ」と言うとブツブツ呟きながら考え込んだ。
「汐梨の得意な肉じゃががいいかなぁ」
「ふふっ、分かりました。じゃあ、頑張って作るね!」
「楽しみにしているよ。じゃあ、行ってくるな」
そう言って微笑むお父さんだけど、少しだけ落ち込んでいるみたいだ。そりゃそうだよね、お姉ちゃんのこと期待もしていたし溺愛していたんだから当然だ。