「大丈夫だよ、私は」

「ありがとう、汐梨。汐梨は料理が上手だしきっといいお嫁さんになるな」

「そうかな? そうだといいなぁ……あ、今から茶道教室の時間だし行ってきます!」


 お姉ちゃんがいなくなってから私の習い事……いわゆる花嫁修行関連が多くなった気がする。
 こう言う時のための習い事なのかも。


「あぁ、気をつけてな」


 私は「はいっ」と返事をして制服を脱ぎ、自分の部屋に置く。茶道教室用の着物を着て下に降りた。


「汐梨様、お車回してあります」

「ありがとう!」


 お父さんの専属執事は、ちゃんと下駄を出してくれていたようでそれを履いて家を出た。