尖っているラテン男、エクソシストになる〜combattere〜

ガブリエルはそう言い、礼拝堂を走って飛び出す。心の中は驚きや怒りや恐怖がぐちゃぐちゃに混ざり合い、どれが本当の気持ちなのか自分でもよくわからない。

だが、ガブリエルの運命はここから大きく変わっていくのだ。



「お前ら!もう一周走るぞ!」

「は、はい!」

「……」

ガブリエルがフェリシアーノからエクソシストになってと頼まれて早二週間。エクソシスト教会にガブリエルはいた。無理矢理フェリシアーノに連れて来られたのだ。

教会では、あの日エクソシストになってほしいと頼まれた他の三人が走っているところだった。金髪碧眼の男性がリーダーとなって指示を出し、顔を真っ赤にして息を荒くしながらアジア人女性が返事をし、黒人の男性は黙って走っている。

金髪碧眼の男性の名前はルートヴィッヒ・シュナイター。ドイツ人だ。他人にも自分にも厳しいタイプで、一人でもよく筋トレや自分の武器であるライフルの扱い方を練習している。