尖っているラテン男、エクソシストになる〜combattere〜

「どこだ、ここ」

ガブリエルが体を起こすと、テーブルと本棚だけが置かれたワンルームだった。見知らぬ部屋にガブリエルが戸惑っていると、ドアがノックされてゆっくりと開いていく。

「あっ、気が付いたんだね〜。よかった!」

聖職者のような衣装を見に纏ったココアブラウンの髪の男性がニコリと笑う。ガブリエルは警戒しながら訊ねた。

「ここ、どこだ?お前は誰なんだ?」

ガブリエルは男性を睨み付ける。だが、男性は何も怯むことなくニコニコと笑いながら言う。

「僕はフェリシアーノ・マテラ!ここはエクソシスト教会だよ!」

「エクソシスト?」

エクソシストとは、悪魔に取り憑かれた人の体から悪魔を追い払う人たちだ。映画や小説に登場したりもする。だが、所詮はフィクションの中の話だ。

「フィクションじゃないよ?僕はエクソシストだよ。そして、君もこれからエクソシストになるんだよ」

「は?」

訳がわからず固まるガブリエルに、フェリシアーノは「こっち来て」と言いながら手を引っ張る。そのまま部屋を出たガブリエルは、フェリシアーノに連れられて迷路のような廊下を進んでいった。