尖っているラテン男、エクソシストになる〜combattere〜

幼い頃、ガブリエルは「変な化け物がいるよ！」と友達や家族によく言っていた。だが、その怪物はガブリエルにしか見えないようで、友達からは「嘘吐き」と言われていじめられ、両親からは精神的な病気を疑われて病院に連れて行かれたこともある。

誰もが自分に対し、冷たい目を向けていた。そして、ガブリエルは決めたのだ。誰も信じないこと。独りで生きていくということを……。

「ハアッ……ハアッ……ハアッ……ハアッ……ヴヴェッ！」

まだあの悪臭が鼻に残っている。その場にガブリエルは座り込み、息が荒くなって戻しそうになっていた。その時、ふわりと誰かに抱き締められる。

「大丈夫、怖くないよ。すぐに楽になるから」

優しい言葉をかけてもらったのは初めてだった。ガブリエルの瞳に涙が滲む。

そして、意識を失った。



ガブリエルが目を覚ますと、そこは見たことのない木造の天井だった。ガブリエルは柔らかなベッドに寝かされていた。