「まともにお前は戦ったことがないだろう!下手に突っ込めば死ぬぞ!そんなこともわからない人間が何故ここに来たんだ!」

「それは……」

ルートヴィッヒに怒鳴られ、ガブリエルは悪魔たちを見る。悪魔たちはこちらの様子を伺っているようだ。そして、天井近くには莉愛が囚われている。

「ベッラを助けるためだ!!」

ガブリエルはそう言い、ハルバードを手に走り出す。ルートヴィッヒは舌打ちをした後、「援護はする」と言った。二人の様子を見た後、ベジも走り出した。

ルートヴィッヒが放つ銃弾はまるで雨のようだ。悪魔たちの肉を切り裂き、貫いていく。そんな中をガブリエルとベジは走り、悪魔に武器を振り下ろす。

悪魔が弱っても、弱らなくても、ガブリエルは懐から聖水を取り出して悪魔たちにぶち撒けた。そして、苦しんでいる悪魔を踏み台にし、他の悪魔に斬り掛かる。

「……あとはあの一体だけ」

ベジが斧についた血を拭いながら言う。莉愛を捕らえた悪魔は、他の悪魔が倒されたというのに動揺の一つすら見せなかった。