「お、おう……」

ガブリエルがそう言うと、莉愛は「やった!」と嬉しそうに笑う。まるで花が咲いたような笑顔だった。

部屋のベッドに横になった後、ガブリエルは眠ることができなかった。心臓の鼓動がやけにうるさく感じ、ガブリエルはハルバードを取り出してただ眺めていた。



それから数日後のことである。莉愛に「一緒に練習をしたい」と言われたあの日から、密かにガブリエルはハルバードの練習をしていた。

ルートヴィッヒたちの練習に混じればいいだけの話なのだが、言い出すことができず一人で黙々と練習するしかなかったのだ。

「えっと、とりあえずこんな感じで振り回せばいいのか?」

ハルバードを扱うアニメキャラの動画を見ながら、見よう見まねでハルバードを動かしていく。誰もいない中庭に、ビュンとハルバードが風を切る音が響いた。

ハルバードは思っていたよりも重く、少し動かしただけで息が切れてしまう。だが、莉愛の前で息を荒くしているかっこ悪いところは見せられないと、ガブリエルはまたハルバードを持ち振り上げた。