（何なんだよ、これ……）

痛みは四人の顔を思い浮かべるだけで強くなっていく。四人から離れた裏通りにガブリエルは入り、胸に手を当てた後、小さく呟いた。

「さあ、祓おうか」

すると、緑色の光がガブリエルの手元で輝く。そしてその光はハルバードに変わった。



武器が現れたということは、ガブリエルにはきちんとエクソシストとしての素質があるという証である。だが、素直になれないガブリエルは武器を出しても練習に参加することはなかった。

「お前はまたサボるのか！！」

怒鳴ってくるルートヴィッヒに「うるっせえ！！」と中指を立て、ガブリエルは教会の中へと引っ込んでいく。今日は少し肌寒いため、昼寝をするなら部屋の中でないと無理だ。

廊下をガブリエルが歩いて行くと、前から莉愛が歩いてきた。その手には包帯が巻かれている。

「こんにちは」

莉愛がニコリと笑いながら挨拶をし、ガブリエルは緊張を覚えながら「Ciao」と返す。いくら人を信じることができないとはいえ、女性には乱暴な口調では話せない。