尖っているラテン男、エクソシストになる〜combattere〜

「そろそろいいかな」

フェリシアーノがそう言うと、莉愛とベジは攻撃するのをやめた。ルートヴィッヒもライフルの引き金から指を離す。

（何をする気なんだ……？）

フェリシアーノは懐から小瓶を取り出す。その中に入っている液体は聖水だ。悪魔が最も嫌うものである。

その聖水をフェリシアーノは容赦なく悪魔にかけた。すると、悪魔たちは悲鳴を上げながら煙になっていく。

巨大で凶暴な悪魔が消えてしまったことに、ガブリエルは目の前の光景が映画の撮影か何かかと思ってしまった。だが、目の前で起きていることは作り物ではなく現実なのだ。

「みんな、お疲れ様！」

フェリシアーノがニコリと笑い、ルートヴィッヒたちは互いによかったところなどを言い合い勝利を喜び合っている。みんな、その顔には笑顔があった。

「ッ！」

またしてもガブリエルの胸が痛む。その光景を見ているのが辛く感じ、ガブリエルはすぐにその場を離れた。