「え、何?フラれちゃった?」

「ううんっ、まだ告白もしてなくて!いや、てゆーかもう告白しなくてもいいっていうか…他に好きな人ができたっていうか…」

やばい、どんどん声が小さくなっていっちゃう。

今までずっと協力し合って相談し合ってきたそらぴょんだから、聞いてほしい気持ちもあるんだけど切り替えの早さと今更小鳩が好きっていうのも恥ずかしくて…!

少し俯いてわざと落ちてきた髪の毛で顔を隠した。

「ふーん、じゃあ今は別に好きな人がいるってこと?」

「…そう」

自信のない声が小さく響く。

あんなにハシャいでいた私を知ってるそらぴょん、軽蔑されたかな?するよね?

「いっぱい協力してくれたのにごめんね」

「え、なんでメリーが謝るの?」

「だって、今までの何だったんだとか…」

「うーん…俺は別に、俺はメリーが誰を好きでもいいからさ」

そらぴょんがぴょんっと軽やかに前にジャンプした。両手をパァッと上げて、後ろにいた私の方を振り返った。

「俺はメリーが好きな人と上手くいけばいいなって思ってるだけだから!そんなの気にしないよ!」

「そらぴょん…」

「てか俺もメリーにいっぱい助けてもらったし、今毎日はちょ~幸せだからこの幸せ分けてあげたい!!」

上げていた両手をそのまま下に下ろし、こめかみにピタッと付けてピースした。

そらぴょんお決まりのダブルピース。

「ねっ」

にこっと笑って。

「ありがと、そらぴょん!」

その表情から十分感じた。

「で、その好きな人とは今どーなの?」

「………それは、低迷中」

「あ、前途多難?」

ぽんっと私の肩を叩いて、空色の髪を揺らした。

「メリーもがんばって!」