ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。





「イルミネーション!?まじで!?ロマンチックすぎっ!!」


「浅倉がイルミネーションだって!!やばくない!?想像どおりでもあるし意外でもあるんだけど…!!」


「そこでっ!?手つないだ!?チューしたの!?どんな感じにっ!?どこで!?手の位置は肩なのかい頭なのかい!!」



すごい、想像がどんどん先へ行ってしまってる。

おーいおーいと誘き寄せようにもかなり遠くに行ってしまったから、明日には浅倉 千隼の二次創作なんかが作られていそうだ。



「えっと、一緒に豚汁を食べまして!」


「「豚汁っ!!でもなんで豚汁!!」」


「あとはマフラーをお膝にかけてくれたり、」


「「マフラー!!でもなんで膝!!」」


「それからそれからっ───わ…っ!」



ぐいっと引っぱられた腕はうしろから。

女子たちに囲まれる隙間を見つけたように、それは力強く引かれる。



「あっ、浅倉くん…!」


「青石さん、ちょっといい」



そしてまた黄色い歓声に見送られて、私は浅倉くんと一緒に教室を出た。

どこへ行くの?とは、もう聞かなくても分かってしまう。