ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。





「お、大人っぽく見えるかなって…!浅倉くんはこういうの……すきじゃない…?」


「……似合ってるとは、思うけど」


「け、けど…?」



愛すること、それすなわち理解すること。


理解します。

私はみんなが知らない浅倉くんをいっぱい知りたいです。



「……えろい」


「………へっ!?えっ!?いやっ、えっ、」


「…冷めるよ」


「あっ、豚汁…!いただきますっ!!」



冷めないよ、ぜんぜん冷めないよ。
冷めることは絶対に無いよ。

いまの私が言うと、簡単に言うなって。

綺麗事いうなって言われちゃうかもしれないけれど。


私はどんな浅倉くんを見たって離れないって、心のなかで誓った。



「…そろそろ帰らなきゃだ」


「えっ、でもまだ19時になったばかりだよ…?」


「ごめん、青石さん」



せめて20時までは大丈夫だと思ってた。

確かに高校生だけど、周りの学生カップルたちも今はまだ当然帰る気配はないから。


それでも浅倉くんは18時頃からずっと時間を気にしていて、とうとう19時ギリギリで瞳を落とした。