そのひとりはもちろん私の隣の男の子でもある。
「楓花に言われたとおり作ったよ?そろそろステージ発表が始まるからそんなに作らなくていいって、」
「あーもう!園田の野郎…!!とりあえず来い!こっち手伝えっ」
「それは無理…!だって今は彼氏との楽しい楽しい休憩中だからっ!」
「はー?休憩ナシの俺に言うか!?」
そんなこと言われても…。
まだまだ校舎ぜんぶ回れてないのに…!
「悪いな浅倉。ちょっとこいつ借りるわ」
「───だめ。」
「は?」
私の腕を掴んだ北條くんの、そのまた腕を掴んだ浅倉くん。
「青石さんは俺の彼女」
なんと本日2回目のセリフっ!!
きゃーーーっ!と、脳内にて大喝采。
「いやそういう問題じゃねーから!チョコバナナ提供できなくなったら俺らのクラス終わんだろ!!」
「別にいいよ」
「よくねえわ!!あっ、おい待てよ浅倉…!!青石は置いてけっつの!!」
どうしよう…、どうしようっ!!
この嬉しすぎる状況どうしようっ!!



