ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。





私の腕には色違いで同じブレスレットが2つ付いている。

ずっと手を繋いでいられるようにと、これも18歳の頃から貫いていること。



「こっち向け青石。北條様からのありがたいお言葉だ」


「………」


「おい青石、」


「………」


「おいこら青石。…もしもーし、青石さーん」



“はいっ、わたし李衣っ!”

そう言うと必ず吹き出すように笑ってくれたね、千隼くん。



「───…李衣。」


「…!」



あの頃とは違う音色で呼ばれた名前に、反射的にも振り返ってしまった。


笑うだろうか。

北條くんの声に重なって、彼の声も聞こえたと言ったら。


あなたはそれすらも笑って許してくれるだろうか。



「そのブレスレットも、ずっと付けてていい。むしろ付けてるべきだそれは。でも、これだけは自信を持って言わせてもらう」



それは、いつも上から目線に背中を押しつづけてくれた北條くんが、私の腕を掴んで。



「お前のことも浅倉のことも、両方まとめて受け止めてやれるのなんか───…どう考えたって俺しかいねえと思うんだよ」



初めて引き寄せたような言葉だった。