「あの瞬間にも俺は、浅倉にはどうやったとしても勝てないと思った」
「…私は…、やっぱり千隼くんがいちばんだから、2番でもいいって言ってくれる人じゃないと……」
この先も、私にとって彼以上はいない。
こうして一緒にお墓参りに来てくれるような人じゃないと駄目なくらい。
そこで、千隼くんも認めてくれるような人じゃないと。
「それも俺がいちばん知ってる。だからここまでアプローチしてんだよな」
「……え?」
「体育祭での借り人競争のくじだって……あれは俺じゃなく浅倉に引かせたかったっつーのに」
なのになんで俺が引いちまうかなあ───と、なにかを思い出したように私の先に見える真っ青な空を仰(あお)いだ。
「北條くんが引いたのって確か……“クラスでいちばんのバカ”、だったよね…?」
否定するように、くつくつと笑い声が返ってきた。
昔は“ぎゃははっ”って大口を開けて笑うのが北條くんだったのに、そうじゃないだけで成長を見せられた気持ちになる。
「昔に言ったろ、俺も自己犠牲型だって」
「…じゃあ本当は、それを引いたんじゃなかったの…?」
「さあな?そこは想像に任せるわ。っても、どちらにせよ俺にとっては“青石”って書いてあったけどな」
「………」



