ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。





「だから俺もそう思える相手を探したよ。浅倉と対等になりたかったから。…けど、やっぱ駄目だった」


「だめ…?」



私と同じ気持ちを言った彼へ、同じ言葉で聞き返す。



「たとえ他の子を見れるようになったとしても、あたまのどっかには何事にも一生懸命なやつが結局はずっと過(よぎ)ってんの」


「え、じゃあその子のことが好きなんじゃないの…?」



彼が眠るお寺の駐車場。

スムーズに停めてから、「よし、到着」とつぶやいた北條くん。


それでもなぜか車から降りる気配はない。


静かな空気にわずかな緊張を感じていると、あの頃と変わったようで変わらない、それ以上の目をして見つめてくる。



「俺、今でも浅倉の葬式のときの青石が頭から離れなくてさ」



覚えてるか?と、静かに聞いてきた。

もちろん忘れるはずがないから、ゆっくりとうなずく。



「通夜も告別式も、ずっと穏やかな顔して受け入れてたけど……いざ火葬されるってなったとき。
無我夢中で泣き叫びながら止めに行ったよな、青石」



それまでにも彼を支えるなかで、取り乱したことは何度もあったとしても。

そのときの自分は別格と言っても間違いなかった。