「西沢、お前は入学してから2日目で早弁したこと。俺は忘れてないぞ」
「うわっ、懐かし!」
「居眠りして椅子から落ちたな、高津」
「ははっ、あったあった!」
「それから北條、お前は最初からうるさかった」
「は?なんか俺だけ雑すぎね?」
やっぱり寂しさは付き物だ。
みんな相変わらずな3年3組に笑顔が浮かびながらも、同じ明日が来ないことを噛み締めていた。
「それから女子トイレグループの杉本に松尾、玉置」
「あははっ、あたしらってそんなふうに呼ばれてたの?」
「休み時間は手鏡常習犯の園田」
「ちょっ、なにそのキャッチフレーズ!!」
先生はひとりひとりを振り返りながら、思い出のページをめくった。
「最後は───…青石と浅倉」
なかなか呼ばれないなあ…なんて思っていると、最後にセットで持ってきた先生。
クラスメイトみんなも空気を変えながら見つめてくる。
「教師の俺が言うのはちょっと間違っているかもだが…もう卒業だ。言わせてほしい」
千隼くん、ちはやくん。
私たちの名前が一緒に呼ばれたよ。
ここでも手を繋いでるってことだね、千隼くん。



