ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。





『ラッキーセブン、そうじゃないかって信じてたんだ俺』


『でも俺、…ずっと青石さんと話してみたかった』



夢みたいだった。
だけど、夢じゃなかった。

ぜんぶ本物で、本当で、私たちは一緒に手を繋いでいたんだ。



『……怖くなった、…ぜんぶに』


『俺は弱いから…、李衣に離れられたら、たぶん生きていけないんだよ』


『自分から突き放したくせに、結果こんな包帯姿になって後悔だらけ。…俺ほんとダサくて格好わるい』



今でも鮮明に思い出す。

そのときの表情、声、私だけに見せてくれた弱さ。



『それでも俺は……李衣と一緒にいたい』



言葉にすることの大切さを知った。
気持ちを伝えることの大切さを知った。

情けなくてもいい、格好悪くてもいい、ダサくて惨めだと思ったって。


やっぱり君は私のなかで、いちばんの王子様なんだ。


そんな彼は今も病院で、薄い呼吸のなか、わずかな命の灯火を大切に大切に灯している。



「やっぱここか、青石」



カタン、と。

静かな足音が止まった。



「…北條くん」


「そろそろ行かねえと入場に遅れんぞ」