思い出だって生きている。
物理なんか飛び越えて、必ずいつかまた会えるって、そんな確信だけはあるんだ。
おかしいね、変だよね。
でもね、それくらいの気持ちが本物なんだと思うから。
「─────……おれ……も…、」
冷たい手に、ぬくもりが合わさった。
涙いっぱいでろくに視界は見えなかったけれど、彼が意識を戻してくれたことだけは分かった。
「……り……い、」
ひとつ、ひとつ、ゆっくり、涙が落ちていく。
もう取り乱すことも、パニックを起こすこともしないで、ただ、ここにある確かな命を見つめる。
「…千隼くん」
ここにいるよ。
私はここにいて、君と手を繋いでる。
ふたりきり、ふたりだけ。
だから怖いものなんか、なにもない。
何にも怯える必要なんかない。
私はずっとずっとこうして繋いでいるから。
「……いけ、た…」
周りの音はもう、聞こえない。
私には大好きな声だけが、まっすぐまっすぐ届いてくる。
「おれたち…、だけの……せかい…、行けたんだよ、…李衣……、」
「…いけ…た…?」



