その姿を目にしたとき、いちばん最初に浮かんだ言葉は、「ごめんね」だった。
私はいつもどこかで、心のどこかでは、彼は助かるんじゃないかと思っていた。
甘すぎた。
高校生になれば彼氏ができるのが当たり前だと思っていた私と、なんにも変わってない。
「ごめんね…っ、ごめんなさい、ごめん千隼くん…っ、……ごめん、ごめんね、」
喉元に取り付けられた太い管。
そこからどういうふうに酸素が送られて、体内に入って、呼吸をすることができるのか。
私はそれすら、なんにも知らなかった。
「……叶えて……あげられなかった……っ」
君の夢を、叶えてあげられなかった。
ふたりだけの世界に連れていくことはできなかった。
こんなにも太い管を取り付けられて、点滴だらけで、この状態でどうやって君が夢みた世界に行けばいいというのだろう。
「っ……、」
ただ、握った手にはぬくもりがある。
心電図は、動いている。
そこにある、ただ目の前にある事実だけを受け止めるならば。
彼はここに、今、私の隣に生きて、私と手を繋いでいるのだ。



