「千隼くんが───……なにをしたっていうの…っ」
神様に恨まれる存在は、他にもっともっと居るはずだ。
彼はとても優しくて、物静かで、小さな頃からわがままも滅多に言わない子供だったのに。
「足も腕も動かせないのに…これ以上縛るなんて……、あんまりだよ…、」
あなたは私にとって、もう叔父じゃない。
彼を救うことを託された唯一の存在だ。
私たちにとって唯一の、神様なんだ。
千隼くんの命を繋げる存在は、もうあなたしかいない。
「私は……、なにもできない、なにもしてあげられない、から…っ」
「…李衣」
ただ手を握ってあげることしかできないんだよ。
自分が情けなくて仕方ない。
それなのに、みんな“ありがとう”って言っ
てくるの。
千隼くんも、彼の両親も。
なにもできない私に対して“ありがとう”、“ありがとう”って。
「でもあなたは違う…っ、救える術(すべ)を持ってる…!それを…あなただけは奇跡や希望に変えちゃダメなんだってば……っ」
変えないで、そんなものに変えないで。
奇跡や希望なんてものは、何度も何度も私たちが飽きるくらいに信じているんだから。
「だとしても、浅倉くんと繋げる手を持っているのは……、お前しかいないぞ李衣」
「っ…!」



