ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。





ああ、もう。

千隼くん、ダメだよ。
なにしてるの、千隼くん。

君がどんな姿になったとしても私は離れないって、あんなに約束したのに。



「ちがう…っ、医者はっ、命を救うことを最優先にさせるべきでしょ…っ!!」



どうして了承なんかしたの、そんなことをしてしまったの。


もしそこで少しでも合併症に対する処置が行われていたなら。

もっと早くにICUに運んでいれば、こうにはなっていなかったんじゃないの……?



「他者の命の行く末や生き方を勝手に決めることだけは…たとえ神だとしても、してはならないことだ」



医者が奇跡や希望に懸けてどうするの。

奇跡や希望に懸けるのは、私たちだけしかしてはならない。


あなたは“医療技術”という、あなたにしか扱えない特別な魔法で治すべきなのに。



「じゃあ治してよ…、医者ならっ、お医者さんなんだから……できるでしょ…、
今の技術があればっ、治せない病気なんかないはずでしょ……っ、」



薄型ノートパソコン、高画質カメラ、スマートフォン。


今なんかもう、手のひらより小さいカメラで動画まで撮れちゃうんだよ。

インターネットだって発達しているし、調べてしまえば基本は何でも解決してしまう。