「なにもっ、なにもしてないじゃん…っ!!喉を切開したって、そんなの……そんなの、今だけの延命でしかない…、」
延命なんか意味ないんだよ。
命を延ばすだけじゃ、そんなの意味ない。
ずっと、ぜったい生きるよって確証だけ、それだけが私たちは欲しいのに。
どれだけ頑張ればいいの。
彼はどれだけ耐えれば、神様に認めてもらうことができるの。
「叔父さん言ってたでしょ…、合併症に気づかず患者を救えなかった同期の医者がいたって……、叔父さんならもっと早くに気づけてた、
…いや、呼吸器が普通の人より弱いことを知っていたならっ、それこそなる前から分かってたはずなのに……!!」
「…浅倉くんから言われていた」
「…え……?」
「もし合併症を引き起こしたとしても、李衣と一緒にいることを優先させてくれって。
余計SMAが進行しているからこそ、ギリギリまで隣にいてお前を抱きしめることができる時間を…、彼は自分の意思で望んだんだ」
呆気に取られたように力が抜けた。
とっくに千隼くんは分かっていたんだと。
こうなる覚悟なんか、ずっとずっと最初から持っていたんだと。
「叔父さんは…、それを了承したってこと…?」
「ああ」
「そうすることで、彼自身の時間が…どんどん短くなったとしても……?」
「…俺たち医者は、できるかぎり患者の意思を最優先にする」
「っ、なに…っ、して……っ、」



