ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。





いろんな検査や必要なリハビリが増えて、朝に登校してきても午後には早退したり。

千隼くんは私よりもずっとずっと忙しい毎日を過ごすようになった。



「それ直径6メートルだろ!あといい加減、俺からのメッセージも返せっつの!」


「浅倉浅倉っ!お前がいねぇと数学の西野にオレが当てられんだけど!」


「いっつも李衣ってば浅倉がいなくて脱け殻だから、早く学校きてあげて!」



どうして車椅子なの?
どうして急に学校に来れなくなったの?

もちろん不審に思う生徒たちはいる。


だけど私や北條くんから伝わる笑顔さえあれば、どんどんループしていくものだとも思うから。



「もうっ!みんなばっかりズルいよ…!私も千隼くんと話したいっ」


『李衣、』


「わっ、はいっ!わたし李衣!!」


『───…はやく会いたい』



トクンッ、と。

私の心にまっすぐ落ちてくる温かさは、切なさも一緒に連れてくる。


どんな顔で言ってくれているんだろう。

待合室に座ってるのかな?
それともリハビリテーション室かな?


そんなふうに想像して、同じ言葉を返す。



「ねえ、李衣」


「うん?」


「浅倉のことなんだけどさ…、大丈夫なの…?」