ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。





こんな人と付き合うとか無理っ!

ぜっっったいムリっ!!



「北條くんはもう戻っていいから…!」


「言われなくても戻るっつーの。じゃあな、お大事に」



意外にも潔い北條くんはすぐに保健室を出て行った。

今日は保険医が1日不在らしく、これまたラッキーが揃ったみたいだ。



「浅倉くん…?」



ふたりきりになると、立ち上がった浅倉くんはベッド周りのカーテンを閉めた。

布1枚の壁に囲われた個室を作ってしまうと、そのまま上履きを脱いでまでベッドに戻る。



「青石さんも」


「えっ、」


「ほら、入って」



入って…って、同じベッドのなかにってこと、だよね…?

布団まで被った浅倉くんは、空洞を作るようにして手招きした。



「し、失礼します…!」



ギシッと、音が立った。



「失礼してない」


「うひゃっ!」



ゆっくり入ることにすら待てなかったのか、ぐいっと強引にも引かれて。

気づけばすっぽりと浅倉くんの隣に寝てしまっている私。



「ふ、へんな声」


「び、びっくりして…!」