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カツっ。
歩くと、たびたびそんな音が出てしまう。
はぁ、と小さくため息をついた。
学校で、来夢にばれた。
......私も知ってるけど。
背筋を伸ばして、暗い気持ちのまま歩く。
はぁ............。
もう、何なの......。
ああ、もうなんか疲れた..................。
......とにかく、落ち着こう。
うっすらと神経を研ぎ澄ませる。
すると、
「話せっつってんだよ‼」
「ちょ、どいてください......」
そんな声が聞こえた。
地面を強くける。
裏路地。
そこの、裏路地から............声がした。
裏路地の陰に近づいて、息をひそめる。
「いえっつってんだろ‼」
——がんっ。
そこにいるのは一人の女の子。3人の男。
そのうちの一人が、壁を強くたたいた。
明らかにいらいらしている様子で手を振り上げる。
......えっ⁉
予想外の行動に目を見開いた。
そんなことしたら当たっちゃう......!
裏路地の中へ躍り出る。
3人の男たちが、私がたてた足音に気を取られたのが分かった。
今だ!
瞬間、私は3人の男たちの中に飛び込む。
そのまま体をかがめて回し蹴りをした。
3人の男が同時によろめく。
足を突き出すと、3人が逃げていく。