元気そうな二人に安堵(あんど)して、笑顔を返す。

 すると、ぎゅうっと横から抱き着かれた。
 
 ええっ......⁉



「どど、どうしたの二人とも」

「やっぱり、8班の......“群星(ぐんせい)”のやつらには渡せない............!」

「危なすぎる......! 心空(ここら)、悪いこと言わない。2班に戻ってきて............!」



 えっ、でも............。

 口ごもってしまうと、今度は静観していた来夢たち8班が二人に反撃し始める。



「そないなことするわけないじゃん?」

「..................しない、けど?」

「しないな。ない」



 来夢、琉宇、時円がさらりと言ってのける。

 それにむかついたのか、二人もヒートアップした。



「しそうだからいってんだけど‼ 能がないの⁉」

「いやあるわ! 何言ってんの!」

「しないが?」

「............しないってば」

「信用ならないって——‼」



 そんな会話をぽけーっと聞いていると、視界に来夢の顔が映った。

 ははっ、と軽く笑っている来夢。

 その笑顔を見て、私は疑問に思った。

 この前からそうだけど......。

 なんか............その顔、知ってるような気がする。

 いや、知ってる。

 なんで?
 
 何で知ってるの?
 
 どこで知ったの?

 分からない、けど............

 でも絶対に見たことあるような......。