「まったね~」と気分上々の時雨(しぐれ)に見送られ、校長室を出た。

 教室までの廊下を氷雨(ひさめ)と並んで歩きながら、私は言った。



「氷雨って校長先生だったんだね。すご」

「まあな」

「私のクラス、A組でしょ? なんかあったりする?」

「なんかっつーか、話の中には出てきそうだけど。

 んーと、A組の生徒は成績が三十五位のやつまで入ってる。成績には、学業と運動神経も入ってんな」



 そうなんだ、と相槌(あいづち)を打ちながら氷雨と話していると、教室についた。



「あー、はいってきてっつったら入ってこい」

「わかった~」



 返事をして、教室に氷雨が入っていくのを見た後、しめられた教室のドアに寄り掛かる。

 教室から、話し声が聞こえてくる......。

 氷雨の話を聞いて、A組ってかっちりしたイメージを持ってたけど......。