◆

 ...ああ......。

 私はなぜこんなことになっているのでしょうか......。

 

「ちょっと、勝手に心空を取らないでよ......っ!」

「そうだそうだ!」

「勝手に取るな!」

「「............お前ら、勝手に席動かすなあああー‼」」

「何それ~。知らないよ!」

「......本当に、知らない」

「な!」

「...........うん」

「そーゆう問題じゃねえ!」

「......心空の席動かすな。心空は2班のメンバーだ」

「そうそう!」

「そうだそうだ............て、舞那⁉」

「ええぇ⁉ なんで?」

「うるさい」

「あーうん? おれら戻るな~」

「勝手に戻るなあ‼」

「話の途中だ——‼」



 にぎやか。

 今私の席の周りには、大空・翼皐・陽詩(ひなた)舞那(まな)・来夢・琉宇がいる。

 そして、私の席の位置について言い争っていて............。



「......すごいことになってんな、これ?」



 声がしたほうを見ると、時円が立っていた。

 時円があきれたように、感心したように、みんなの言い争いを見てる。

 

「どうすんだよ?」



 そう聞かれて、



「は、はは......どうするんだろ......」



 私は乾いた笑みをこぼした。