「よし、行くぞ」

「えっ?」



 氷雨がそう言って、私はつい疑問の声をもらした。



「ねえ、氷雨?」

「あ?」

「氷雨が校長室から出てきたってことはさ、氷雨、校長先生なんだよね?」

「ああ」

「なんで教室に行こうとしてるの?」



 「は?」とでもいうかのように私を見つめた後。

 氷雨はわたしに、何でもないことのように言った。



「わかってんだろ、俺が1-Aの担任なんだよ」



 校長先生が、担任になることなんてあるの......⁉