「心空がそう思ってくれてたなんて、うれしいな」
心の底から嬉しそうに、少し照れたようにそう言ってくる陽詩。
大空、翼皐も少しばかり驚いたようにこう言った。
「まさか、心空がそんなふうに思ってるとか考えてなかった」
「そんなに仲良くなりたいって思っててくれてたとは......」
ちょっとちょっと、大空っ!?
なんでにやにやしながらそう言うのっ⁉
陽詩は心底嬉しそうにしていて、翼皐はちょっと驚いた後感動してる様子だから、なんだかこっちまで恥ずかしくなってくる。
「なななな何言ってんの⁉ そそそそんなこと言ってなかったり言ってたりしないよ⁉」
「心空、かんでるよ~」
「うっ............」
陽詩に指摘されてますます恥ずかしさが増した。
......こっ、ここここんなこと言ったの初めて......っ。
『陽詩とも、大空とも翼皐とも、その......。な、仲良く、なりたい、から......』
さっき言ったことを思い出して、かああっとほっぺたがあつくなる。
......うっ、何これ。
恥ずかしすぎる......!
ほんのりにこにこ和やかな雰囲気を醸し出している3人。
話題になってるのは、やっぱりさっき食堂で私が言ったこと。
なんだか私が初めていった仲良くなりたいという言葉が話題の空気に、耐えられそうになくって私は口を開いていた。
「さっきのこと掘り返さないでーー‼」
「なんでよ?」
「心空、なんか必死だねえ」
「別にいいじゃん?」
余裕をもって穏やかにそう言ってのける3人。
だから、それはちょっと......!
「はははずかしい......‼ から......!」
「ええ~? わたしは嬉しかったよ」
さらっとそういう陽詩。
陽詩、恥ずかしいとかないの......?
そう思って、陽詩の顔を見るとほんのりと赤みが増していた。
......え.........?
「陽詩~、顔赤いぞ~」
「あああかくなんてないヨっ」
「焦ってる焦ってる~」
そんな陽詩を茶化す大空と翼皐。
私はその光景を信じられなくて、歩いていた足を思わず止めてしまった。
陽詩、さっき......
顔、赤かった......?
気づいたころには、3人と私の間は結構大きくなってしまっていて。
「心空?」
「何してんのー?」
「おいてくぞー?」
そう声をかけてくれた陽詩と大空と翼皐に少しだけ驚いて、私は無性にうれしくなってしまって、私を待っていてくれる3人の元へと急いだ。

