この星に生まれた、何よりも誰よりも。


 すぐに運ばれてきた料理を見て、目を輝かせる。

 わあ......っ!

 とってもおいしそう!

 3人の料理を見ながら、お弁当に詰めた唐揚げを口に入れる。



「おいしそうだね......!」

「でしょ!」



 ニコッと笑う陽詩。

 私は陽詩が次にとった行動に目を少し開いた。

 

「はいっ」



 私の前に差し出されたお箸につかまっているそば。

 汁がぽたぽたと垂れないように、陽詩が箸の下で手を器のようにする。

 ......えっ......。



「今はこれしかないけど」



 そういい、はにかむ陽詩。

 い、いいのかなっ......。

 そう思いつつ、私は小さく口を開いた。

 ......ぱくっ。

 陽詩が表情をぱああっと明るくさせる。



「......ん!」

「ど、どうっ?」



 明るかった顔と一転して、不安そうに聞いてくる陽詩。

 私はそばのおいしさににこにこしながら答えた。



「おいしい!」



 このつゆも、そばの硬さも、細さも、いい感じだ......!



「そうっ? ......よかったぁ!」

「うんっ!」



 うなずくと、「「あー!」」と重なった声がした。

 声がしたほうを見ると、悲夢くんと悲夢くん。

 ん~と。

 右が、翼皐くん。

 左が、大空くん。

 ......で、あってるかな?

 二人そろって口を大きくあけて、陽詩を指さしていた。

 

「ずるい!」



 えっ?

 ずるいって、何が?

 頭にポポポン、とはてなマークが浮かぶ。

 はてなマークをたくさん浮かべる私。

 と、陽詩が口を開いて、ちょっと唇を尖らせていった。



「な、に、が?」

「はああ~⁉ もうわかってんだろ!」

「わかってるよな! ずるいぞ陽詩‼」