うなずいてくれたということがうれしくて、私も彼にうなずき返す。
ニコッと唇の端を持ち上げて、彼にもう一度うなずいたら、なぜか顔をそらしそっぽを向いた。
でも、難人くんがうなずいてくれたことがまだ私をほっこりほっこりさせる。
「ちょちょちょ、心空⁉」
「舞那がうなずいたよ......っ!」
「どどどどうやったの……?」
3人が動揺して大きな声を上げる。
「うん!」
だから私も勢い良くうなずいた。
「難人くん、うなずいてくれたよ。難人くん、いい人だね。......陽詩たちもいい人だけど」
自分でそう言いながら、ちらりと頭をよぎったのは来夢と琉宇と時円と、神楽くん。
昨日しか一緒にいないけど、とってもいい人たちでやさしい人たちだった。
8班のほうをつい見てしまう。
「......なんで8班のほうを見るのさ」
「心空は、もう2班で俺たちのなのに......」
ぽそ、と声がして悲夢くんのほうを見た。
何か言っていたけど聞き取れなくて、私は二人に尋ねる。
「え? ごめん、何か言った......?」
そう聞くと、二人は声をそろえてこう返した。
「「ううん。なにもないよ」」
「......そう? ならいいんだけど............」
二人はかぶりを振り、また陽詩と私との会話に乱入した。
「あれ? 誰か休みなの?」

