この星に生まれた、何よりも誰よりも。


 きっと、何かできるんだろう。



「心空......」



 陽詩が神妙(しんみょう)な顔をして、私を見つめていた。



「心空、いいやつだな......」

「ついさっきから知ってたけどな」



 悲夢くん二人も、そうつぶやく。

 ......ご、ごめん。

 ちょっと、何言ってるかわかんない......。



「......お、前............」



 難人くんの声がして、そっちを見やると、難人くんが私を見つめていた。

 どこか難人くんが放った声は、少しだけ、震えているような、あっけにとられているような......そんな気がした。

 難人くんに、小さく微笑(ほほえ)む。

 大丈夫だよ。

 そう伝えるように。

 でも、あえてはそのことを口にせず、別のことを口にした。



「うるさいし、迷惑だし、バカかもしれないけど............、よろしくね。よろしくしてくれたらうれしいな」


 難人くんに、手を差し出す。

 難人くんは、差し出された私の手を驚いたように見て。

 手を取ることはなかった。

 ......でも。
 
 

「..................あぁ」



 そううなずいた。



「......え」

「舞那が」

「心空の」

「手を取らなかった」

「でも」

「心空に」

「「「うなずいた—————⁉」」」



 ぽつぽつぽつと、陽詩と悲夢くんが交互に単語を言う。

 そして最後に、3人そろえて叫んだ。